理学療法39巻6号

特集 中枢性めまい患者に対する理学療法   定価:1,980円(税込)

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 めまいは中枢性のものと末梢性のものに分けられ,中枢性めまいは,小脳や脳幹に生じた脳梗塞や脳出血,てんかんが原因で起こるめまいです. 一般的には,めまい以外の症状,例えば意識障害や嚥下・構音障害,激しい頭痛,けいれん発作などの症状を伴っていることが多い.
 めまい患者に対する理学療法については,末梢性めまいに対して多くの臨床研究が行われ,めまいの改善や姿勢の安定性に理学療法が効果があることが報告されています. 一方で,歩行障害をもたらす中枢性めまいや,姿勢定位障害をもたらす中枢性めまいに対する理学療法の効果も注目されています.
 そこで,本特集では中枢性めまいに絞って取り上げることとしました.

 

  • 中枢性めまいの病態と理解
     【城倉 健】
  • ・水平方向の眼球偏倚/眼振と中枢性めまい
  • ・垂直/回旋方向の眼球偏倚/眼振と中枢系めまい
  • 前庭動眼反射における小脳の役割の理解 
     【和田佳郎】
  • ・VOR の種類
  • ・VOR の神経経路
  • ・VOR の特性
  • ・VOR の適応的変化
  • ・小脳片葉仮設
  • ・運動学習の記憶
  • ・VOR の臨床検査
  • ・前庭リハビリテーションの留意点
  • 姿勢制御における脳内情報処理のメカニズムの理解
     【岡 真一郎,光武 翼】
  • ・視覚の脳内情報処理
  • ・体性感覚の脳内情報処理
  • ・前庭覚の脳内情報処理
  • ・姿勢制御における感覚情報の統合
  • ・感覚系の脳内情報処理と連関機構
  • ・姿勢制御における脳内情報処理に基づいた理学療法の提案
  • 歩行障害をもたらす中枢性めまいに対する理学療法  
     【光武 翼,植田耕造,塩崎智之】
  • ・中枢系めまいと歩行障害に関する神経メカニズム
  • ・前庭機能と歩行能力
  • ・中枢神経疾患患者の前庭機能と歩行障害
  • ・中枢神経疾患患者に対する前庭覚への介入方法
  • 姿勢定位障害をもたらす中枢性めまいに対する理学療法
     【植田耕造,光武翼,塩崎智之】
  • ・lateropulsion
  • ・中枢性めまいが姿勢定位障害をもたらすメカニズム
  • ・姿勢定位障害を改善するためのアプローチ
  • 日常生活動作障害をもたらす中枢性めまいに対する理学療法
     【荻原啓文】
  • ・中枢性めまいと ADL 障害
  • ・中枢性めまい患者の ADL 障害を改善するための理学療法アプローチ
  • ・症例検討
  • ● 講 座

  • 知覚・認知と運動制御1―総論
     【樋口貴広】
  • ・調整する力
  • ・理論的枠組み
  • ・コンパレータモデル
  • ・生態学的アプローチ
  • ・自己組織化・力学系アプローチ
  • 疾患別理学療法における装具療法の役割3―脳卒中片麻痺患者の装具療法:下肢装具Ⅰ
  •  【菱川法和,沢田光思郎,三上靖夫】
  • ・脳卒中片麻痺患者に対する歩行訓練のコツ
  • ・下肢装具を使用する目的
  • ・先進的な治療用下肢装具
  • ・RAPS を使用した歩行訓練の実際
  • ・下肢装具の課題と期待