理学療法37巻10号

特集 高齢者における転倒予防─この10年の成果と次の10年に向けての課題   定価:1,980円(税込)

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高齢者は転倒を経験すると,転倒後に外傷がなくても転倒への恐怖感を示し,
歩行障害を来すという転倒後症候群に陥る危険性があることが指摘されています.

高齢者のQOLの維持・向上や,自分らしい生活に向けての自己効力感の高揚を促進していくために
理学療法士にとっての重要な課題は,
トレーニングを通して「転倒予防」に努めていくこと,
また,歩行動作中のつまずきやバランスのくずれに対する
“とっさの一歩” の能力の評価であると考えられます.

本特集では,本誌の2010年(27巻5号)の特集「高齢者の転倒予防─この10年の成果」
からの10年間における成果や,
これからの10年における理学療法としての課題を浮き彫りにすることにより,
「転倒予防」を目的とした,より安全で効果的な理学療法のあり方について述べていただきます.

  • 高齢者における転倒・転落の発生状況とその要因
     【奥泉宏康】
  • ・地域における転倒・転落の発生状況
  • ・地域における転倒・転落のリスク因子
  • ・病院における転倒・転落の発生状況
  • ・病院における転倒・転落の発生リスク
  • 高齢者の転倒予防を目的とした転倒リスクスクリーニングとしての評価の実際
     【藤田博曉,丸谷康平】
  • ・転倒リスクスクリーニングとしての評価
  • ・臨床における評価結果の活用
  • 高齢者の転倒予防を目的とした地域における運動指導の実際
     【半田秀一,岡田真平】
  • ・地域在住高齢者に対する運動プログラムのエビデンス
  • ・バランス運動やステップ運動を含む複合的な運動とは
  • ・運動指導の実際
  • ・長野県東御市における転倒予防活動
  • 高齢者の転倒予防を目的とした医療機関におけるリスクマネジメントの実際
     【上内哲男】
  • ・医療機関における高齢患者の転倒リスク
  • ・医療機関で使いやすい転倒リスクアセスメントツール
  • ・転倒リスクアセスメントに基づくアプローチのポイント
  • ・今後の展望
  • 高齢者施設における転倒予防を目的としたリスクマネジメントの実際
     【小松泰喜】
  • ・高齢者施設での転倒が抱える問題点
  • ・高齢者施設での転倒予防の可能性
  • ・高齢者施設での転倒予防に対する取り組み
  • 高齢者の転倒予防を目的とした生活指導の実際
     【森田正治】
  • ・高齢者が転倒を来す背景
  • ・転倒リスク軽減のためのアプローチ(指導の考え方も含む)
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  • ● 講 座
    加齢に伴う運動器の変化と理学療法の視点14―ロコモティブシンドロームと理学療法

  •  【新井智之】
  • ・ロコモの概念
  • ・ロコモとフレイルおよびサルコペニアの概念の関連性
  • ・ロコモのスクリーニング:ロコチェック
  • ・ロコモの判定方法:ロコモ度テスト
  • ・ロコトレの効果の検証
  • ・ロコモ対策の考え方と対策の実際
  • 理学療法士に必要な栄養学の知識16―高齢者に対する理学療法の一環としての栄養管理

  •  【田中健一朗,朝井政治】
  • ・高齢者の栄養状態の特徴と低栄養の原因
  • ・低栄養状態の高齢者の身体機能の特徴
  • ・高齢者の栄養状態の評価
  • ・高齢者に理学療法を実施する上で必要な栄養管理
  • ・運動療法実施にあたっての注意
  • ・地域における高齢者の栄養管理の課題
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