理学療法37巻11号

特集 小脳疾患患者に対する理学療法の進め方   定価:1,980円(税込)

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小脳は,運動制御および運動学習に重要な役割を果たしています.

小脳が障害されると身体の調整が困難となり,
理学療法の遂行を難渋させるとともに,早期から維持期までの継続的なアプローチが必要となります.

小脳疾患患者に対する理学療法は主に失調・振戦に対して行われていますが,
本特集では,小脳の機能・構造,神経回路を再考した上で,
画像情報から障害部位と障害像を明確にする捉え方と,
それらの情報に基づく理学療法評価,急性期から回復期・維持期までの
理学療法アプローチについて述べていただきます.

    • 小脳の構造と役割
       【冷水 誠】
    • ・小脳の神経回路
    • ・前庭小脳:姿勢および四肢運動制御
    • ・大脳小脳:四肢運動制御および運動学習,認知機能
    • 画像で捉える小脳疾患の病巣と臨床症状
       【工藤洋祐,城倉健】
    • ・小脳疾患の臨床症状
    • ・小脳疾患の病巣と画像所見
    • 小脳学習理論を基礎とする小脳疾患患者の理学療法評価―プリズム適応の臨床応用
       【板東杏太,本多武尊】
    • ・小脳に関する基礎研究の歩み
    • ・小脳内部モデル学習
    • ・PA の基本的な手順と注意点について
    • ・PA で得られたデータをどうのように解析するか
    • ・PA に関係する脳領域
    • 小脳疾患患者の眼球運動障害に対する理学療法アプローチ
       【光武 翼】
    • ・眼球運動の評価
    • ・VOR と歩行能力の関係
    • ・VOR 低下に対する gaze stabilization exercises
    • ・小脳関連疾患の眼球運動障害に対する理学療法アプローチの実際
    • 小脳疾患患者の運動失調に対する理学療法アプローチ
       【北野晃祐,古川晃大】
    • ・運動失調の分類
    • ・小脳疾患患者の運動失調評価
    • ・小脳疾患患者の運動失調に対する理学療法プログラムの実際
    • 小脳疾患患者の高次脳機能障害に対する理学療法アプローチ
       【髙見彰淑】
    • ・小脳各部位からみた大脳への連絡線維について
    • ・小脳疾患による高次機能障害
    • ・小脳病変による高次機能障害の評価
    • ・小脳病変による高次機能障害への理学療法介入
    • 小脳疾患患者に対する生活動作指導
       【有明陽佑,大場興一郎】
    • ・SCD の分類と特徴
    • ・生活障害の特徴
    • ・主な生活障害に対する取り組み
    • ・利用を検討すべき制度
       
    • ● 講 座

    • 新連載 運動学習1―総論1:運動学習理論と理学療法
    •  【藤澤宏幸】
    • ・運動学習の定義
    • ・記憶,忘却,レミニセンス
    • ・運動学習に関する諸理論
    • ・運動学習における強化子の整理
    • 理学療法士が臨床で存分に「運動学習」の知識を応用するためには、
      「運動学習」の基礎的知識を正確に学ぶとともに、常に最新知見を把握していることが求められます。

      「運動学習」に造詣の深い先生方に、基礎知識を中心に
      写真や模式図を用いるなどして分かりやすく述べていただくとともに、
      最新知見についても言及していただきます。

    • 加齢に伴う運動器の変化と理学療法の視点15―加齢に伴う姿勢の変化と理学療法
       【木山良二】
    • ・加齢に伴う姿勢変化
    • ・姿勢変化の要因
    • ・股関節と骨盤・脊柱アライメントとの関係
    • ・膝関節と骨盤・脊柱アライメントとの関係
    • ・股関節と膝関節のアライメントとの関係
    • ・姿勢の変化と運動機能
    • ・姿勢の評価
    • ・姿勢変化に対する介入