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リハビリテーションのための人間発達学 [第2版]
大城昌平(聖隷クリストファー大学大学院教授)編集
B5判 2色刷 258頁 2014年
ISBN:978-4-944026-95-1
定価3,960円(税込)
< 目 次 >
- 第1章 総論 大城昌平
- A .人間発達学とは―なぜ人間発達学を学ぶのか
B .発達とは
C .発達の要因
1.遺伝と環境
2.発達の基本法則
⑴ 一定の方向と順序がある
⑵ 連続的な過程である
⑶ 異速性がある
⑷ 個人差がある
⑸ 分化・統合の過程である
3.発達の臨界期
⑴ ローレンツの刻印づけ現象
⑵ ヒューベルとウィーゼルの片眼遮蔽実験
⑶ ニューポートの第二言語獲得試験
4.人間発達の枠組み(領域)
5.発達段階(ライフステージ)の分類
D .発達理論
1.精神分析的発達論:フロイト
2.心理社会的発達論:エリクソン
3.認知発達論:ピアジェ
4.学習理論
1)行動主義的学習理論
⑴ 古典的条件づけ
⑵ オペラント条件づけ(道具的条件づけ)
2)認知理論
⑴ ケーラーの洞察説
⑵ トールマンのサイン・ゲシュタルト説
⑶ レヴィンの場の理論
5.運動の発達理論
- 第2章 発達の見方と発達検査の進め方 樋口正勝
- A .人間発達の見方
1.里程標的視点
2.原因探求的視点
3.リハビリテーションに必要な視点
1)発達の相互作用性
2)発達障害の状態像
B .発達検査の進め方
C .事例紹介
1.ダウン症候群を呈した2 歳児
1)症例紹介
2)検査法の選択・実施と検査結果の解釈
2.自閉症が疑われる3 歳6 カ月児
1)症例紹介
2)検査法の選択・実施と検査結果の解釈
3.自閉症を呈した4 歳児
1)症例紹介
2)検査法の選択・実施と検査結果の解釈
4.脳性麻痺(痙直型両麻痺)を呈した7 歳児
1)症例紹介
2)検査法の選択・実施と検査結果の解釈
⑴ 運動機能,ADL 面
⑵ 認知機能,学習面
- 第3章 胎児期・新生児期の発達 儀間裕貴
- A .発達学的特徴
1.身体
1)胎児期の身体の発達
2)新生児期の身体の発達
3)分娩による循環動態の変化
2.運動
1)胎児期の運動の発達
2)新生児期の運動の発達
⑴ 背臥位
⑵ 腹臥位
3.認知
1)感覚と知覚
2)視覚・聴覚・味覚
3)触覚
4)痛覚
4.心理(情緒)
1)意識状態(ステート)
2)コミュニケーション能力
5.社会性
B .発達学的課題
1.発育に影響する因子
1)胎児因子
2)母体因子
2.各器官の発達の敏感期
3.新生児仮死
C .発達学的評価
D .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)低出生体重児
2)呼吸リハビリテーション
3)minimal handling
4)育児支援
- 第4章 乳児期の発達 千代丸信一
- A .発達学的特徴
1.身体
1)身体的成長
⑴ 体重
⑵ 身長と身体各部の釣り合い(プロポーション)
⑶ 頭部の成長:頭囲・脳重量・泉門閉鎖
⑷ 胸囲
⑸ 歯・骨
⑹ 脊柱の変化
2)生理的成熟
⑴ 呼吸・脈拍・血圧・体温
⑵ 中枢神経系
⑶ 感覚器系
2.運動
1)粗大運動発達
2)微細運動発達
3.認知
1)認知機能の発達
⑴ 新生児期
⑵ 1~4 カ月
⑶ 4~8 カ月
⑷ 8~12 カ月
2)言語
4.心理(情緒)
5.社会性
B .発達学的課題 - C .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)脳性麻痺
2)二分脊椎
3)ダウン症候群
- 第5章 幼児期前期・後期の発達 中路純子
- A .発達学的特徴
1.身体
2.運動
1)粗大運動発達
2)微細運動発達
3.認知
1)感覚運動的段階から表象的思考段階へ
2)概念の発達への過程
4.心理(情緒)
1)感情の分化
2)自己肯定感の獲得
5.社会性
1)生活空間の広がりと社会性
2)日常生活動作の獲得と社会性
6.遊び
B .発達学的課題
C .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)精神運動発達遅滞
2)知的障害
3)広汎性発達障害
4)筋ジストロフィー
- 第6章 学童期の発達 日田勝子
- A .発達学的特徴
1.身体
1)身体的成長
⑴ 体重・身長・座高
⑵ 歯・骨
2)生理的成熟
⑴ 性成熟
⑵ 呼吸・脈拍・血圧
2.運動
1)粗大運動発達
⑴ 学校教育と運動
⑵ 学童期の体力
2)微細運動発達
3.認知
1)ピアジェ理論からみた認知機能の発達
⑴ 脱中心化
⑵ 論理的思考
2)文字言語の発達
3)文章表現
4.心理(情緒)
1)社会的感情
2)自尊感情
5.社会性
1)仲間関係
⑴ 低学年
⑵ 中学年
⑶ 高学年
⑷ 仲間関係の変化
2)自己制御力
B .発達学的課題
1.身体発達と肥満 - 2.心理社会的発達とストレス
C .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガー障害
2)自閉症
3)脳性麻痺
- 第7章 青年期の発達 中西英一
- A .発達学的特徴
1.身体
1)成熟
2)身体発達の性差・個人差と早熟・晩熟
2.運動
1)文部科学省の「体力・運動能力検査」から見える傾向性
2)運動技能
3.認知
1)身体的操作と形式的操作
2)認知に対する社会文化的影響
4.心理(情緒)
1)身体的・性的成熟の心理的影響
2)ボディイメージについて
3)自我・自己の発達
4)アイデンティティ
5.社会性
1)心理的自立
2)人間関係の変化
B .発達学的課題
⑴ ハヴィガーストの青年期発達課題
⑵ 発達学的文脈主義
C .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)統合失調症
2)双極性障害(躁うつ病)
- 第8章 成人期の発達 横井輝夫
- A .発達学的特徴
1.身体
1)免疫機能
2)血管
3)性ホルモン
4)骨密度
2.運動
1)筋力
2)バランス能力
3)持久力
4)体力
3.認知
1)知能
2)記憶
4.心理(情緒)
5.社会性
1)家庭生活における社会性
2)職業生活における社会性
B .発達学的課題
1)エリクソン
2)レビンソン
3)やまだ
4)障害の受容
5)自己実現
C .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要 - 2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)脳血管障害
2)心筋梗塞
3)糖尿病
4)更年期障害
5)うつ病
6)癌
- 第9章 老年期の発達 村田 伸
- A .発達学的特徴
1.身体
1)形態的な変化
2)骨
3)筋
4)神経
5)感覚
2.運動
1)筋力
2)反応時間
3)持久力
4)歩行
5)姿勢調節
3.認知
1)知能
2)記憶
3)注意
4.心理(情緒)
1)感情・気分
2)性格
5.社会性
1)高齢社会
2)ライフサイクル
B .発達学的課題
1)老年期への適応
2)サクセスフル・エイジング
C .発達学的評価
1.身体機能評価
2.認知機能評価
3.心理機能評価
D .主な疾患・障害とリハビリテーション
1.概要
2.主な疾患・障害とリハビリテーションの要点
1)骨折
2)認知症
3)廃用症候群
- 第10章 身体の運動機能と構造の発達と障害 坂上 昇
- A .粗大運動発達
1.新生児期・乳児期(出生から1 歳まで)
1)背臥位の運動発達
⑴ 新生児期
⑵ 1~2 カ月
⑶ 3~4 カ月
⑷ 5~7 カ月
2)腹臥位の運動発達
⑴ 新生児期
⑵ 1~2 カ月
⑶ 3~4 カ月
⑷ 5~6 カ月
⑸ 7 カ月以降
3)座位の運動発達
⑴ 新生児期~2 カ月
⑵ 3~4 カ月
⑶ 5~6 カ月
⑷ 7 カ月以降
4)立位の運動発達 - ⑴ 新生児期~1 カ月
⑵ 2~3 カ月
⑶ 4~6 カ月
⑷ 7~9 カ月
⑸ 10~12 カ月
2.幼児期
B .身体構造の発達
1.新生児期・乳児期(出生から1 歳まで)
1)形態的変化
⑴ 体重
⑵ 身長
2)骨の発生(骨化)と成長
3)筋の成長
2.幼児期(1~6 歳)
1)形態的変化
⑴ 体重
⑵ 身長
2)骨の発生(骨化)と成長
3)筋の成長と筋力
3.学童期・思春期(7~15 歳)
1)形態的変化
⑴ 体重
⑵ 身長
2)骨の発生(骨化)と成長
3)筋の成長と筋力
4.思春期以降~青年期・成人期(16~60 歳)
1)形態的変化
⑴ 体重
⑵ 身長
2)骨の発生(骨化)と成長
3)筋の成長と筋力
5.老年期(61 歳以降)
1)形態的変化
⑴ 体重
⑵ 身長
2)骨および関節の変化
3)筋と筋力の変化
C .身体構造・機能の発達障害とリハビリテーション
1.身体構造・機能の発達障害
2.リハビリテーション
1)運動発達促進(運動機能の改善を含む)
⑴ 腹臥位での運動発達促進
⑵ 座位での運動発達促進
⑶ 立位での運動発達促進
2)関節可動域運動
3)筋力増強運動
4)日常生活活動
5)体力増強
6)装具療法
7)保護者指導
- 第11章 知覚認知機能の発達と障害 中村 光
- A .知覚・認知機能の獲得過程と発達
1.知覚・認知機能の発達の概要
1)感覚・知覚・認知機能
2)脳との関連
3)知覚機能
4)認知機能
⑴ 高次脳機能
⑵ 注意機能
⑶ 記憶機能
2.各期における知覚・認知機能の発達
1)前期発達(胎児期・新生児期・乳幼児期)
⑴ 知覚機能
⑵ 認知機能
2)中期発達(学童期・青年期)
⑴ 知覚機能
⑵ 認知機能
3)後期発達(成人期・老年期)
⑴ 知覚機能
⑵ 認知機能 - B .知覚・認知機能の発達障害と評価
1.視覚機能
1)乳幼児期
2)学童期以降
2.聴覚機能
1)乳幼児期
2)学童期以降
3.認知機能
1)乳児期
2)幼児期・学童期以降
⑴ 評価
⑵ 発達性障害
⑶ 後天性障害
C .リハビリテーション
1.修復
2.代償
1)内的な代償
2)外的手段による代償
3.環境調整
- 第12章 情緒・社会性の発達と障害 岩永竜一郎
- A .情緒・社会性の発達とその障害
1.新生児期
2.乳児期
3.幼児期
1)幼児期前期
2)幼児期後期
4.学童期
5.思春期・青年期
6.成人前期
7.成人中期
8.老年期
B .情緒・社会性の障害の評価
1.検査法による評価
2.面談や観察による評価
C .リハビリテーション
1.ソーシャルスキル指導
2.ソーシャルストーリー
3.表現療法(コラージュ療法)
4.認知行動療法
5.ペアレントトレーニング
6.環境調整
- 第13章 言語機能の発達と障害 足立さつき
- A .ことばの発達と言語の獲得過程
1.ことばの発達
2.言語の獲得過程
1)前言語期(生後~1 歳頃)
2)一語文期(1 歳~1 歳半頃)
3)二語文期(1 歳半~2 歳代)
4)成熟期(3~4 歳)
5)完成期(5~6 歳)
6)学童期以降
B .言語障害(コミュニケーション障害)
1.言語障害の種類
2.言語聴覚療法
3.言語聴覚障害の臨床の流れ
C .言語発達障害
1.言語発達障害の要因
2.言語発達障害の評価
1)検査
2)情報収集
D .言語発達障害に対する指導・訓練
1.国リハ式<S-S 法>言語発達遅滞訓練プログラム
1)言語の構造的側面としての「記号形式-指示内容関係」
2)「記号形式-指示内容関係」を支えると仮定される「基礎的プロセス」
3)言語の機能的側面としての「コミュニケーション態度」
2.<S-S 法>における症状分類と働きかけのポイント
3.訓練適応
4.予後の関連要因
5.言語訓練の考え方
6.チームアプローチおよび家族指導
E .成人の言語障害
1.高次脳機能障害
2.失語症
3.構音障害
- 第14章 脳・神経系の発達と障害 森岡 周
- A .胎児期における脳・神経系の発達と機能獲得
1.脳の形成とその発達過程
1)胎児期におけるニューロンの産生・分化・結合
2)神経系の発達と機能獲得の関係
3)脳の構造とその機能
B .新生児期から乳児期にかけての脳・神経系の発達と機能獲得
1.シナプス形成とミエリン形成
1)シナプス形成に関連した発達過程
2)ミエリン形成に関連した発達過程
2.環境および身体経験と脳の発達との関係
1)豊富な環境における脳の発達
2)脳の発達における感受性期
3.運動行動の発達とその障害
1)反射運動の出現とその制御システム
2)運動発達と神経経路網構築との関係
3)運動障害と脳の機能不全
4.大脳連合野の発達と運動機能との関係
1)環境と身体の相互作用に基づく大脳連合野の発達
2)手の運動発達と大脳連合野の機能との関係
C .幼児期から青年期・成人期にかけての脳・神経系の発達と機能獲得
1.認知発達のための神経基盤とその障害
1)認知発達過程における感覚運動的段階
2)認知発達過程における前操作的段階
3)認知発達過程における操作的段階
4)ワーキングメモリ機能とその発達障害
2.社会性発達のための神経基盤とその障害
1)情動の発達
2)心の理論の神経基盤
3)ミラーニューロンシステム
4)自閉症における心の理論欠如仮説
5)感情コントロールにおける内側前頭連合野の働き
6)高次な感情の発達
D .青年期から老年期にかけての脳・神経系の成熟
1)加齢に伴う脳機能の変化
2)前頭連合野の機能不全に基づくうつ症状
3)認知症と脳の機能不全との関係
- 第15章 内部機能(呼吸・循環・代謝)の発達と障害 西田裕介
- A .内部機能(呼吸・循環・代謝)の獲得過程と生涯発達
1.呼吸に関する臓器・組織の発達
1)肺の発達と性差
2)肺胞の発達
3)気管・気管支の発達
4)胸郭の発達
2.循環に関する臓器・組織の発達
1)心臓の大きさの変化
2)心臓の中隔と循環経路の変化
3)血液性状の変化
⑴ 血液量
⑵ 血液像
3.代謝に関する臓器・組織の発達
1)肝臓の発達
2)腎臓の発達
3)骨格筋の発達
4)骨格筋の加齢変化と筋線維Type の構成の変化
5)基礎代謝量からみる発達
B .内部機能(呼吸・循環・代謝)の障害と評価
1.呼吸機能の発達・障害・評価
1)肺の機能的発育
2)呼吸機能の発達
3)呼吸機能の障害
2.循環機能の発達・障害・評価
1)心電図の特徴
2)心拍数の特徴
3)1 回拍出量の発達
4)血圧{=心拍出量(1 回拍出量×心拍数)×末梢血管抵抗}の発達
5)循環機能の障害
3.代謝能力の発達・障害・評価
1)エネルギー代謝の発達
2)糖代謝の発達
3)脂質代謝の発達
4)蛋白質代謝の発達
5)骨格筋のエネルギー代謝
6)代謝機能の障害
4.有酸素性作業能力の発達・障害・評価
1)最大下運動に対する適応
2)最大酸素摂取量(VO2max)の変化
5.無酸素性作業能力の発達・障害・評価
1)エネルギー供給過程からみた無酸素性作業能力の発達
2)無酸素性作業能力の加齢変化
3)発達とトレーニング
C .リハビリテーション
1)呼吸器系疾患に対するリハビリテーション
2)循環器系疾患に対するリハビリテーション
3)代謝系疾患に対するリハビリテーション
4)リハビリテーションとリスク管理
- 付章 発達研究 堺 裕
- A .研究のデザインと方法
1.発達研究の意義
2.研究プロセスにおける研究デザインの位置づけ
3.代表的な研究デザイン
1)無作為化比較試験
2)前向きコホート研究
3)症例対照研究 - 4)断面研究
5)研究デザインの分類整理
4.研究を進めていく上で必要な方法論
1)文献レビュー
2)研究対象者の選択
3)測定方法の選択
B .EBM と研究
1.研究成果としてのエビデンス
2.エビデンスの活用
1)疑問の定式化
2)エビデンスの検索
3)エビデンスの吟味
4)患者(集団)への適用
5)評価
3.発達研究とEBM