理学療法39巻9号

特集 理学療法におけるエビデンスの作り方   定価:1,980円(税込)

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 安全で効果的な理学療法を展開するための行動指針であるEvidence-based Practice(EBP)の考え方や
具体的な実践方法については,2000年代以降,わが国の理学療法関連の学術大会,成書,ジャーナルなどでさまざまな啓発活動が進められてきました.

 本誌においても,連載や特集を通して,理学療法におけるEBPの臨床実践を普及させていくための取り組みを展開してきました.

 しかしこれらの取り組みの多くは「エビデンスの使い方」を基盤としたものでありました.
次のステップとして,理学療法におけるEBPの発展そして,新しいより効果的な治療法を創出していくためには
,理学療法の臨床実践の結果を質の高い臨床研究として取り纏め,それを公表するための「エビデンスの作り方」に関する理解を深めていくことが課題となると思われます.

 そこで本特集では,疾患別の理学療法におけるエビデンスの作り方に関する基本的事項として,
標準化のために必要な評価項目(テンプレート),データ収集方法,データ解析方法,
研究デザインなどについてできるだけ分かりやすく概説していただきます.

  • 理学療法におけるエビデンスの作り方の要点
     【対馬栄輝】
  • ・研究デザインとバイアス
  • ・エビデンスをつくる基本
  • ・今後の課題
  • 脳血管障害患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
     【松田雅弘,山口智史,藤野雄次,髙橋容子,春山幸志郎】
  • ・脳血管障害患者の理学療法エビデンスの現在
  • ・エビデンス構築の今後の動向
  • ・エビデンスの構築に向けて
  • パーキンソン病患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
     【石井光昭,奥山紘平】
  • ・パーキンソン病患者の障害像の特性とすくみ足の進行
  • ・すくみ足に対する理学療法のエビデンスの現状
  • ・パーキンソン病患者の理学療法のエビデンスを作るために必要な事項
  • 肩関節疾患患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
     【石垣智恒,松本尚,山中正紀】
  • ・ICFで捉える肩関節疾患患者の障害像
  • ・評価スコア
  • ・ICF コードを用いた症例提示と研究への段階的取り組み
  • 脊椎疾患患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
     【隈元庸夫】
  • ・効率的・効果的な理学療法のために必要なエビデンス
  • ・腰椎椎間板ヘルニアに対する理学療法のエビデンス
  • ・非特異的腰痛に対する理学療法のエビデンス
  • ・腰部脊柱管狭窄症に対する理学療法のエビデンス
  • ・脊椎疾患の理学療法に関するエビデンスを作るためにどのような取り組みが必要か
  • ・脊椎疾患の「症例報告」のチェック項目
  • ・脊椎疾患の「観察研究」のチェック項目
  • ・脊椎疾患の「ランダム化比較試験」のチェック項目
  • ・脊椎疾患の「システマティックレビューとメタアナリシス」のチェック項目
  • ・症例研究から本格的な実験研究に基づいてエビデンスを作れるようになる展望
  • 変形性股関節症患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
     【建内宏重】
  • ・変形性股関節症患者に対する理学療法のエビデンス
  • ・エビデンスにつながる評価指標
  • ・エビデンスを作るための工夫
  • 変形性膝関節症患者の理学療法におけるエビデンスの作り方
  •  【北川 孝】
  • ・膝OAの疫学
  • ・膝OAに関する近年のガイドラインの動向
  • ・膝OA患者の理学療法のエビデンスの作り方

    ● 講 座

  • 知覚・認知と運動制御4―眼球運動・注視点の制御が空間知覚に及ぼす影響
     【小野誠司】
  • ・異なる眼球運動の特性
  • ・眼球運動における運動知覚メカニズム
  • ・空間知覚における注意点(gaze)の制御
  • 疾患別理学療法における装具療法の役割6―運動器疾患患者の装具療法:足関節・足部の関節リウマチの場合
  •  【祖川稔史】
  • ・RA患者の足関節・足部の装具療法に関する過去5年間の報告
  • ・RA患者の足関節・足部の装具療法の留意点
  • ・当院におけるRA患者の足関節・足部の装具療法の実際
  • ・今後の課題