理学療法38巻2号

特集 内部障害の周術期チーム医療における理学療法士の役割   定価:1,980円(税込)

運動器疾患の患者の術前ならびに術後早期に理学療法士が
加わるようになってから久しいが,
最近は内部障害の周術期に理学療法士が加わることが求められるようになっています.

特に理学療法士にとって重要なのは,肺合併症を起こす可能性が高い患者を術前より察知し,
術後早期に離床をもたらすように努めることにあります.

心大血管,呼吸器,消化器,ならびに乳がんの手術に際しては,
「術後合併症の予防」と「円滑な機能回復」のための理学療法は,
欠くことができない治療の1つです.

また,術前からの理学療法導入によって,より円滑な身体機能のコンディショニングが可能となり,
さらには心理的サポートにもつながります.

本特集では,周術期チーム医療における理学療法実践のポイントと,
他職種との連携のあり方について概説していただきます.

    • 内部障害の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【小川智也,平澤 純】
    • ・術前リスクと術後経過
    • ・術前の身体機能と術後合併症
    • ・術後呼吸器合併症予防の重要性
    • ・術前の理学療法士の役割
    •  1.周術期の理学療法は術後肺合併症予防に有効
    •  2.運動耐容能と術後合併症への対応―prehabilitation の可能性
    •  3.術前介入における IMT の実施
    •  4.慢性呼吸不全患者の気道クリアランス
    • ・術後の理学療法士の役割
    •  1.術後回復強化プログラムによる早期離床
    •  2.離床や気道クリアランスには鎮痛が必要
    •  3.高齢者における回復力強化プログラムの悪影響の確認
    •  4.術後気道クリアランス
    •  5.術後重症化症例における集中治療室での理学療法介入
    • 冠動脈バイパス術の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【西川淳一,一重吉史,緒方直史】
    • ・ CABG の周術期チームと職種間連携
    • ・ CABG 前の理学療法士の役割
    •  1.手術リスクの検出に必要な評価の実施
    •  2.術前の理学療法の実施
    •  3.術前オリエンテーションの実施
    • ・ CABG 術後の理学療法士の役割
    •  1.手術内容の確認
    •  2.離床進行の可否の判断
    •  3.離床進行可能と判断してからの理学療法の実際
    • ・今後の課題
    • 心臓弁手術の周術期チーム医療における理学療法士の役割 
       【清水浩介】
    • ・弁膜症の病態と手術
    •  1.弁膜症の病態と手術の概要
    •  2.弁膜症と前負荷・後負荷
    •  3.各弁膜症の病態と手術,理学療法の注意点
    • ・術前の理学療法
    •  1.理学療法士の役割
    •  2.患者の状態の把握
    •  3.理学療法
    • ・術後の理学療法
    •  1.理学療法士の役割
    •  2.患者の状態の把握
    •  3.理学療法
    • ・今後の課題
    •  1.早期回復例に対する対応のポイント
    •  2.回復遅延例に対する対応のポイント
    • 大動脈置換術・ステントグラフト術の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【松宮 潤,幾野 毅,榊原 裕】
    • ・大動脈手術前に収集すべき情報
    •  1.診療録から得られる情報
    •  2.理学療法評価から得られる情報
    • ・術前理学療法
    •  1.オリエンテーション
    •  2.理学療法
    • ・術中および術後に収集すべき情報
    •  1.手術侵襲の情報
    •  2.術中イベント有無の情報
    • ・術後における評価の実際
    •  1.循環動態の評価
    •  2.呼吸状態の評価
    • ・術式による術後合併症の評価
    •  1.上行・弓部大動脈置換術の術後合併症
    •  2.下行・胸腹部大動脈置換術の術後合併症
    •  3.腹部大動脈置換術の術後合併症
    •  4.ステントグラフト内挿術の術後合併症
    • ・離床に向けて行う理学療法
    • ・術後人工呼吸器管理中の理学療法
    •  1.呼吸理学療法
    •  2.ベッド上での運動療法
    • ・人工呼吸器離脱後のアプローチ
    • 呼吸器外科手術の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【及川真人,花田匡利,神津 玲】
    • ・肺がん手術患者の特徴
    •  1.術前
    •  2.術後早期(術後合併症)
    •  3.術後安定期
    • ・ハイリスク患者班別のために理学療法士が行うべき術前評価
    • ・肺がん手術患者における理学療法の実際
    •  1.術前の理学療法
    •  2.術後早期の理学療法
    •  3.術後安定期の理学療法
    • ・肺がん手術における周術期チーム医療の実際
    • 消化器外科手術の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【山下 裕,會津恵司,山口竜三】
    • ・当院における術前の関わり―術前オリエンテーション・オリエンテーリング
    • ・当院における術後理学療法の実際―周術期リハビリテーションパスの導入とその効果
    • ・臨床に活かす他職種との情報共有
    • ・今後の課題
    • 乳がん手術の周術期チーム医療における理学療法士の役割
       【三田乃理子,大国生幸,海老原 覚】
    • ・乳がんの手術療法
    • ・乳がん手術の周術期理学療法の目的
    • ・乳がん術後の肩関節可動域制限,リンパ浮腫への取り組みと家庭・社会生活復帰への指導
    •  1.肩関節可動域制限に対する取り組み
    •  2.リンパ浮腫に対する取り組み
    •  3.家庭・社会生活に復帰するための指導
    • ・乳がんの周術期チームにおける多職種連携
    •  
    • ● 講 座

    • 運動学習4―総論4:ハンドリングによる動作指導と運動学習
       【鈴木博人】
    • ・ハンドリングの定義
    • ・ハンドリングに関連した運動学習効果
    • ・ハンドリングの臨床応用に関する提案
    • ・ハンドリングに関する研究のこれから
    • 加齢に伴う運動器の変化と理学療法の視点17―加齢に伴う基本動作能力の変化と理学療法
    •  【三浦 創,加辺憲人】
    • ・加齢に伴う基本動作能力の変化の理学療法評価による捉え方
    • ・加齢に伴う起き上がり動作能力の変化の理学療法評価による捉え方
    • ・加齢に伴う立ち上がり動作能力の変化の理学療法評価による捉え方
    • ・これまでに開発されている基本動作能力の評価指標
    • ・加齢に伴う基本動作能力の変化への関わり方
    • ● 短 報

    • 介護予防教室への参加が高齢者の精神的側面に及ぼす影響
       【新田春子,倉地洋輔,西田亮一,今北英高】