理学療法37巻8号

特集 股関節周辺の外傷・障害に対する理学療法診断の進め方   定価:1800円+税

近年,大腿骨寛骨臼インピンジメント,鼠径部痛症候群など,
骨盤を含む股関節周辺部の新たな疾患概念が提示されています.
本特集では,股関節周辺の外傷・障害に絞って,理学療法診断の進め方について述べていただきます.

「理学療法診断」の定義は,
「疾病の同定ではなく,さまざまな要因によって生じた障害を同定し,
その関連因子や予後を予測し,理学療法の効果を判断するプロセス」と提起されており,

具体的には,
「理学療法士の知識と経験に加え,
理学療法検査の標準値 と 対象者の測定値 を比較することにより,
科学的根拠に基づいた治療の選択 と 運動機能障害の予後予測 を可能にするため,
臨床推論の妥当性を可視化する」とされています.

この考え方は理学療法のさらなる発展を視野に入れる時,
多くの考え方が提示され深化されていくべきものと考えられ,
本特集ではこの「理学療法診断」の定義に沿って述べていただきます.

  • 股関節周辺の外傷・障害の病態特性
     【神野哲也】
  • ・股関節周辺の骨折
  •  1.大腿骨近位部骨折
  •  2.大腿骨頚部骨折
  •  3.大腿骨転子部骨折
  •  4.非定型大腿骨骨折
  •  5.大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折
  •  6.骨盤輪骨折,寛骨臼骨折
  • ・変形性股関節症
  •  1.HOA(形成不全性股関節症)
  •  2.FAI
  • 股関節周辺の外傷・障害に対する理学療法診断の進め方
     【建内宏重】
  • ・理学療法診断とは何か
  • ・運動機能障害の分類について
  •  1.鼠径部痛の分類
  •  2.股関節運動機能障害の分類
  • ・臨床予測ルール
  •  1.臨床予測ルールとは
  •  2.股関節疾患における臨床予測ルール
  • 大腿骨頚部・転子部骨折に対する理学療法診断の進め方
     【川端悠士】
  • ・理学療法診断に基づく臨床推論の重要性
  • ・大腿骨転子部骨折例における理学療法診断に基づく臨床推論および効果判定の実際
  •  1.症例情報
  •  2.初回評価(術後18日目)
  •  3.CPR(clinical prediction rule)に基づく予後予測
  •  4.運動機能障害の同定と運動機能障害に関連する要因の推論
  • ・今後の課題
  • 骨盤骨折に対する理学療法診断の進め方 
     【沖山 努】
  • ・骨盤骨折について
  •  1.骨盤輪骨折
  •  2.寛骨臼骨折
  • ・骨盤骨折患者に対する理学療法診断の進め方
  • ・症例提示
  •  1.症例1(50歳代女性,診断名:骨盤骨折(仙骨および右坐骨))
  •  2.症例2(70歳代男性,診断名:骨盤骨折(左腸骨および左恥坐骨))
  •  3.症例3(80歳代女性,診断名:骨盤骨折(左恥坐骨))
  • ・骨盤骨折に対する理学療法の問題点
  • 変形性股関節症に対する理学療法診断の進め方
     【家入 章】
  • ・用語と調査対象の整理
  • ・股 OA の評価
  •  1.股 OA の概要
  •  2.関節症性変化の把握
  •  3.臨床評価基準
  •  4.理学療法評価
  • ・股 OA の理学療法診断と治療
  • ・症例紹介
  • 大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群に対する理学療法診断の進め方
     【立石聡史,高橋誠】
  • ・FAIS による傷害
  • ・FAIS の患者に対する理学療法診断の進め方
  • ・症例提示
  •  1.症例紹介
  •  2.評価
  •  3.臨床推論
  •  4.治療アプローチの選択
  •  5.予後
  •  6.効果判定
  • ・今後の課題
  • 鼠径部痛症候群に対する理学療法診断の進め方 
     【小野志操,為沢一弘,團野翼】
  • ・GPA の病態と分類
  •  1.症状の特徴
  •  2.GPA の病態
  •  3.GPA の病態理解に必要な解剖
  •  4.GPA の分類
  • ・GPA の理学療法診断の実際
  •  1.マンチェスター会議の診断基準
  •  2.競技中の疼痛を再現する動的評価
  •  3.GPA の MRI 画像による評価
  • ・GPA に対する理学療法の実際と治療成績
  •  1.GPA に対する一般的な理学療法
  •  2.鼠径管と PLAC へ加わる機械的刺激を軽減させる理学療法
  •  3.治療成績と理学療法診断の妥当性
  • ● 講 座

  • 加齢に伴う運動器の変化と理学療法の視点12―フレイルと理学療法
     【土井剛彦】
  • ・フレイルの評価
  • ・フレイルの実態
  • ・フレイルに対する介入

 ● 原 著

  • 80歳以上の入院中の内部障害患者における自立歩行の喪失に関わるリスク因子―入院経過と医学的管理に着目して
     【新津雅也,内田敏男,山口亜紗美,鈴木亮馬,鈴木啓介,満冨一彦】