特集 運動連鎖からみた関節障害の理学療法 定価:1,980円(税込)
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運動連鎖には2つの概念があります。kinetic chainという概念は、open kinetic chain(OKC)と closed kinetic chain(CKC)に分けられ、力学的な観点からの連鎖として位置づけられています。
もう 1 つはkinematic chainという概念であり、投球動作のような全身的な運動における多関節の時間的・空間的な連動性として位置づけられています。
OKCでは運動側の肢節の末端が開放されているが、CKCでは床面などに接しており、隣接する関節運動から連動し、離れた関節にまで影響する。理学療法では、これらの概念に基づいて固定側と作用側の双方から起こる運動連鎖に着目し、動作を評価するとともに、それらの連鎖の関係性を最適化する必要があります。
そこで本特集では、運動連鎖からみた力学的因子、機能解剖学的因子、神経生理学的因子を、理学療法においてどのように活用できるか、また、姿勢コントロールについて解説していただくとともに、主な関節障害を有する患者の理学療法評価および理学療法において、どのように活用するかについて、日常生活動作やスポーツ動作に即して述べていただきます。
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- 運動連鎖からみた関節障害の理学療法の考え方と実施上の要点
【佐藤洋一郎】 - ・運動連鎖の利用と影響
- ・運動連鎖からみた関節障害に対する理学療法
- 運動連鎖からみた肩関節障害の理学療法―野球の投手の投球障害を中心に
【松井知之,瀬尾和弥,東善一,宮崎哲哉,山崎勢那】 - ・全身から肩関節に及ぶ影響の評価:全身即時調整法の実際
- ・投球動作の基礎
- ・今後の課題
- 運動連鎖からみた肘関節障害の理学療法―野球肘について
【小野大輔,瀬戸口芳正】 - ・野球肘の病態と肘関節への外反ストレス
- ・投球動作における運動連鎖
- ・野球肘の理学療法評価
- ・野球肘に対する理学療法アプローチ
- ・今後の課題
- 運動連鎖からみた股関節障害の理学療法
【中野渡達哉,鈴木秀基,佐藤聡見】 - ・股関節における運動連鎖の基礎的パターンの理解
- ・運動連鎖の力学的因子からみた股関節障害の理学療法評価とアプローチ
- ・運動連鎖の機能解剖学的因子からみた股関節障害の理学療法評価とアプローチ
- ・運動連鎖の神経生理学的因子からみた股関節障害の理学療法評価とアプローチ
- ・今後の課題
- 運動連鎖からみた膝関節障害の理学療法
【江戸優裕】 - ・膝関節の特徴
- ・膝関節のメカニカルストレスと多関節運動
- ・筋活動と多関節運動
- ・今後の課題
- 運動連鎖からみた足関節障害の理学療法
【尾田 敦】 - ・運動連鎖からみた足部のマルアライメントのチェック方法
- ・運動連鎖からみた足関節障害改善のための理学療法アプローチ
- ・今後の課題
- 運動連鎖からみた脊柱障害の理学療法―腰椎障害に対するアプローチ
- 【古谷英孝】
- ・姿勢の評価
- ・腰椎過前弯に伴う腰椎障害と運動連鎖
- ・腰椎前弯減少に伴う腰椎障害と運動連鎖
- ・腰椎側弯に伴う障害と運動連鎖
- ・腰椎過前弯に対する運動連鎖を考慮したアプローチ
- ・腰椎前弯減少に対する運動連鎖を考慮したアプローチ
- ・腰椎側弯に対する運動連鎖を考慮したアプローチ
- ・今後の課題
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● 講 座
- 知覚・認知と運動制御12―冗長な身体システムの運動制御と理学療法における留意点
【冨田洋介】 - ・運動学的自由度
- ・運動制御理論
- ・理学療法における「回復」と「代償」
- ・理学療法により行為の「回復」を最大化する
- 臨床評価における定量的データの収集と解釈の進め方4―検査値からみた理学療法のリスクの解釈
- 【田屋雅信】
- ・理学療法のリスク解釈のための検査の指標