理学療法40巻3号

特集 運動器障害の理学療法における臨床思考の進め方のポイント   定価:1,980円(税込)

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 昨今、養成校において臨床実習の時間が減少傾向となっているため、
学生の臨床思考プロセスを形成する十分な機会をどのように確保するかが課題となっています。
部分的な評価(面接、観察、検査、測定、動作分析の一部)としてデータを採ることはできるが、「採ったデータを束ねて患者さんの全体像を捉え、どのようにアプローチしていくのか」という思考過程を
論理的に進めていくことが難しいことから、
このような臨床思考を学生や経験の浅い理学療法士にどのように伝えるかという点が、指導者が苦労されている点です。

 そこで本特集では、「運動器障害の理学療法における臨床思考の進め方のポイント」をテーマに掲げ、典型的な症例に対する臨床思考の進め方のポイントを、経験豊富な先生方に提示していただき、客観性のある経験知とエビデンスを交えながら述べていただきます。

    • 運動器障害の理学療法における臨床思考の概念と進め方のポイント
       【玉利光太郎,山科俊輔】
    • ・運動器障害の理学療法における臨床思考の概念
    • ・運動器障害における理学療法の進め方のポイント
    • ・臨床思考能力を高めるために
    • 頚部障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【川崎洋二,髙島孝之】
    • ・臨床思考の進め方とポイント①:どのように臨床評価を進めるか
    • ・臨床思考の進め方とポイント②:機能・構造障害の原因組織をどのように同定するか
    • ・臨床思考の進め方とポイント③:症状発現のメカニズムをどのように考えるか
    • ・臨床思考の進め方とポイント④:重症の重症度をどの様に捉えるか
    • ・臨床思考の進め方とポイント⑤:臨床症状に即したアプローチの進め方をどのように考えるか
    • ・臨床症例の振り返りからの提言
    • 腰部障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【森川大貴,石田和宏,宮城島一史,加藤 浩】
    • ・体幹運動評価の課題
    • ・体幹運動の客観的評価
    • ・症例提示
    • 肩関節障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【北坂彰彦,中川泰誉,山崎重人,菊川和彦】
    • ・肩関節の構造と安定化機構
    • ・初回評価時の注意点
    • ・肩関節周囲炎
    • ・肩関節インピンジメント症候群
    • ・肩関節不安定症
    • ・症例提示
    • 股関節障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【川端悠士】
    • ・臨床思考のポイント①:どのように臨床推論を進めるか
    • ・臨床思考のポイント②:機能・構造障害の原因組織をどのように同定するか
    • ・臨床思考のポイント③:臨床症状に即したアプローチの進め方をどのように考えるか
    • ・臨床経験の振り返りからの提言:臨床思考に基づき順調に進んだ症例Ⅰ
    • ・臨床経験の振り返りからの提言:臨床思考通り進まず難渋した症例Ⅱ
    • 膝関節障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【伊藤   雄,松本 尚,井野拓実】
    • ・臨床思考のポイント①:どのように臨床評価を進めるか
    • ・臨床思考のポイント②-1:機能・構造障害の原因組織をどのように同定するか
    • ・臨床思考のポイント②-2:症状発現のメカニズムをどのように考えるか
    • ・臨床思考のポイント②-3:症状の重症度をどのように捉えるか
    • ・臨床思考のポイント③:臨床症状に則したアプローチの進め方をどのように考えるか
    • ・臨床経験の振り返りからの提言
    • 足関節障害に対する臨床思考の進め方とそのポイント
       【越野裕太】
    • ・臨床思考のポイント①:足関節障害に対する標準的評価法を把握する
    • ・臨床思考のポイント②:理学療法の目標達成の有無を判断する評価項目
    • ・臨床思考のポイント③:理学療法介入法の選択
    • ・臨床思考のポイント④:理学療法適応となる因子を整理する
    • ・臨床経験の振り返りからの提言
    • ● 講 座

    • 知覚・認知と運動制御10―模倣と運動制御・学習
       【中本浩揮,樋口貴広】
    • ・観察運動学習の理論
    • ・効果的な示範とは
    • ・観察運動学習を支える神経機構
    • ・MNSからみた効果的な観察運動学習
    • 臨床評価における定量的データの収集と解釈の進め方2―臨床評価の解釈から導き出す臨床推論と全体像把握のための問診方法
    •  【松田雅弘】
    • ・ICFの構成要素と活用
    • ・対象者の個別性と病期などに配慮した臨床的解釈
    • ・対象者の主訴を引き出す医療面接の技法のポイント
    • ・理学療法の定性的な(ナラティブ)評価の活用
    • ・理学療法における臨床思考と判断