理学療法40巻1号

特集 わが国の理学療法のこれからを展望するⅠ   定価:1,980円(税込)

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 わが国のリハビリテーション医学は、第二次大戦後、欧米から新しい医学として導入されました。
戦争で四肢を失った兵士への対応はわが国にとっても欧米にとっても共通の課題となり、また、戦後の急速に発展した産業の現場で発生した事故による脊髄損傷への対応や、ベビーブームの中で発生した脳性麻痺児への対応も大きなテーマとなりました。

 そのような状況の中で1966年、リハビリテーション医学の現場で患者に直接関わる専門職として理学療法士が作業療法士とともに身分法化されました。
 それから18年が経過した1984年に本誌が創刊され、2023年、ありがたいことに40周年を迎えます。

 現在のわが国の医療をめぐる状況は人口減少に代表されるさまざまな課題に直面しており、今、そのような状況を踏まえて「わが国のこれからの理学療法を展望すること」は意義あることであると考えており、これからどのような取り組みを展開すべきかを考える機会としていただければ幸いです。

  • 理学療法の戦略と戦術 Strategy and Tactics in Physiotherapy
     【藤原孝之】
  • ・理学療法の戦略的思考とその準備
  • ・理学療法の戦術的展開と課題
  • 運動器疾患患者に対するこれからの理学療法を展望する
     【建内宏重】
  • ・運動器疾患患者に対する理学療法のこれまで
  • ・運動器疾患患者に対する理学療法のこれから
  • ・大型計測システムから小型センサ、画像解析へ
  • ・研究室・医療機関から実生活環境へ
  • ・エビデンス構築から実装へ
  • スポーツ傷害患者に対するこれからの理学療法を展望する
     【坂本雅昭】
  • ・これまでのわが国のスポーツ理学療法
  • ・スポーツ理学療法について
  • ・現状課題とこれからの取り組み
  • 脊髄損傷患者に対するこれからの理学療法を展望する
     【戸渡富民宏,古賀隆一郎】
  • ・脊損医療の現状と問題点
  • ・脊髄再生医療におけるリハビリテーション
  • ・今後の展望
  • 関節リウマチ患者に対するこれからの理学療法を展望する
     【島原範芳,佐藤信治,菱川法和,遠山将吾,澤田直哉,奥田恭章,大西誠】
  • ・RA患者に対する理学療法の変遷
  • ・RA寛解達成時代における理学療法
  • ・寛解達成時代における理学療法の課題
  • 切断患者に対するこれからの理学療法を展望する
  •  【梅澤慎吾】
  • ・切断者リハの本質
  • ・近年の動向
  • ・今後の展望
  • 脳血管疾患患者に対するこれからの理学療法を展望する
  •  【諸橋 勇】
  • ・脳血管疾患患者理学療法のこれまでの概観
  • ・脳血管疾患患者理学療法の課題
  • ・今後の取り組みの展望
  • 神経難病患者に対するこれからの理学療法を展望する
  •  【寄本恵輔】
  • ・神経難病患者に対す療養支援のこれまでの概観
  • ・神経難病患者に対する理学療法の課題とその取り組み

    ● 講 座

  • 知覚・認知と運動制御8―注意と運動制御
     【瀬谷安弘】
  • ・選択的注意
  • ・分割的注意
  • ・注意トレーニングと運動制御
  • 疾患別理学療法における装具療法の役割10―装具療法と臨床哲学:関節リウマチ患者の理学療法における上肢装具療法の役割を中心に
  •  【島原範芳】
  • ・RA患者の理学療法における上肢装具療法:EBMとNBM
  • ・RA患者の理学療法における上肢装具療法:診療の進歩と適応の変化
  • ・臨床哲学と装具療法
  • ・RA患者に対する上肢装具療法の実際
  • ・RA患者に対する上肢装具適応の実際:適応と効果判定の限界および課題
  • ・RA患者に対する上肢装具療法における理学療法士の役割