理学療法39巻11号

特集 重複障害を有する患者に対する理学療法アプローチ   定価:1,980円(税込)

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 重複障害において理学療法の効果を引き出すためには,疾患別の概念だけでなく,リスク管理を徹底した上で目標設定や運動療法の内容を個別に判断する必要があります.

 地域在住者の多くは,重複障害を持ちながら日々の生活を送っており,病期や場面によって理学療法の目標が異なります.
 このことから,医療モデルから生活モデルまでの一連の流れを理解した上でQOLの高い生活を支援していくことが,
理学療法の重要な課題となります.
 このような背景に鑑みて,重複障害を有する患者の障害構造を理解し,重複障害を有する患者のリスク管理の要点,病期別目標設定の要点について学ぶとともに,わが国の制度や文化を踏まえた社会状況を把握することが必要と考えられます.

 そこで本特集では,重複障害患者の障害構造,重複障害患者のリスク管理,病期別目標設定について解説していただいたあと,事例を交えるなどして述べていただきます.

    • 重複障害を有する患者の障害構造とその理解
       【諸冨伸夫】
    • ・重複障害の構造
    • ・病期別の重複障害に対するリハビリテーション治療の特徴
    • ・重複障害に対するリハビリテーション治療戦略
    • 重複障害を有する患者の理学療法におけるリスク管理
       【田屋雅信】
    • ・重複障害患者に対するリスク管理
    • ・重複障害患者に対するリスク管理の手順
    • ・重複障害患者に対する理学療法時に活用する客観的指標
    • ・重複障害患者に対する理学療法時に活用するフィジカルアセスメント
    • ・今後の課題
    • 重複障害を有する患者の理学療法における病期別目標設定の考え方
       【武市尚也,笠原酉介,渡辺 敏】
    • ・本邦におけるリハビリテーションの病期分類
    • ・重複障害を有する患者の入院期におけるリハビリテーションの目標
    • ・入院期におけるリハビリテーション目標達成のための考え方
    • ・重複障害を有する患者の在宅期におけるリハビリテーションの目標
    • ・在宅期におけるリハビリテーション目標達成のための考え方
    • 心機能・肺機能低下と中枢神経疾患による重複障害を有する患者の理学療法
       【野添匡史】
    • ・心不全と脳卒中
    • ・肺炎と脳卒中
    • 腎機能・肝機能低下と中枢神経疾患による重複障害を有する患者の理学療法
       【大熊克信,佐藤博文,岡和 博,大川信介】
    • ・急性期脳卒中患者と腎機能・肝機能低下について
    • ・腎機能低下による症状と障害像
    • ・腎機能低下と中枢神経疾患の重複障害について
    • ・肝機能低下による症状と障害像
    • ・肝機能低下と中枢神経疾患の重複障害について
    • ・症例提示
    • がんと運動器疾患の重複障害を有する患者の理学療法
       【吉田 司,北原エリ子】
    • ・がんと運動器疾患の重複障害を有する患者の評価
  • ・運動療法の留意点
  • ・症例紹介
  • ・今後の課題ー地域医療機関と専門医療機関との連携 
    • 認知症・精神疾患と運動器疾患の重複障害を有する患者の理学療法
       【上薗紗映】
    • ・認知症・精神疾患と運動器疾患の重複障害
    • ・重複障害に対する理学療法実施の考え方とその方法
    • ・理学療法の展開
    • ・今後の課題

● 講 座

  • 知覚・認知と運動制御6―前庭感覚と運動制御
     【塩崎智之】
  • ・前庭感覚が関わる反射系
  • ・姿勢制御における前庭感覚の役割
  • ・前庭リハビリテーション
  • 疾患別理学療法における装具療法の役割8―運動器疾患患者の装具療法:頚椎疾患の場合
  •  【青木卓也,飯本誠治】
  • ・頚椎装具の適応
  • ・頚椎装具の種類
  • ・頚椎道具の制御性
  • ・頚椎疾患に対する装具療法
  • ・頚椎装具(頚椎カラー)の装着方法と注意点
  • ・頚椎装具と理学療法
  • ● 短 報

    • 足関節骨折後の足関節固定中の足趾把持自動運動が足関節背屈可動域に及ぼす影響
       【横地正伸,岩田絢香,鈴木隆洋,渡部志保,中村雅俊】