理学療法38巻9号

特集 成長期のスポーツ障害と理学療法   定価:1,980円(税込)

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 「成長期の身体は,大人の身体とは異なる」と言われるように,
成長期の骨には成長軟骨板(骨端線)が存在し,特に男子では13歳頃,
女子では11歳頃に成長軟骨の代謝が活発になり急速に成長します.

 軟骨や筋,靱帯などにも成長期特有の生体力学的特性があるため,
成長期のスポーツ活動による過剰な運動負荷(オーバーユース)は障害発生を招き,
それに伴う不適切な処置や治療はさらに障害を助長するなどのリスクとなりえます.

 そのため成長期のスポーツ障害に対する理学療法を進めるには,
成長期の運動器および心身機能の特性,スポーツ障害の特徴について正確に理解することが必要です.
また,特有の傾向性もある点も踏まえ治療に取り組むとともに,
スポーツ障害発生予防も含めたスポーツ指導に取り組むことが重要です.

本特集は,成長期のスポーツ外傷と障害のうち「障害」に絞った内容を述べていただきます.

  • 成長期の運動器の特性とスポーツ障害の特徴
     【尾藤晴彦】
  • ・成長期の運動器の特性
  • ・成長期運動器機能の実態
  • ・成長期スポーツ障害の特徴
  • ・成長期スポーツ障害の要因
  • ・成長期スポーツ障害の治療
  • ・成長期スポーツ障害の予防
  • 成長期の心身発達を考慮したスポーツ指導のあり方
     【德村光昭】
  • ・子どもの心身の特性
  • ・子どものスポーツの目的
  • ・成長・発達段階とスポーツ指導
  • ・子どものスポーツ指導の課題
  • 成長期のスポーツ障害と理学療法 
     【松本武士,川野大二郎,根地嶋誠】
  • ・成長期のスポーツ障害発生の背景:近年の子どもの身体的特徴
  • ・成長期スポーツ障害の評価のポイント
  • ・成長期スポーツ障害に対する理学療法の実際
  • 成長期の肩・肘のスポーツ障害と理学療法
     【宇良田大悟,古島弘三,貝沼雄太,川鍋慧人】
  • ・成長期投球肩・肘障害の実態と病態
  • ・理学療法の実際
  • 成長期の腰椎分離症と理学療法
     【勝又 哲,兼岩淳平,竹内大樹】
  • ・発症メカニズム
  • ・診断
  • ・理学療法の概要
  • ・骨癒合が期待できる場合の理学療法:超初期,初期,進行期(輝度変化あり)
  • ・骨癒合が期待できない場合の理学療法:進行期(輝度変化なし),終末期
  • ・症例紹介
  • 成長期の膝関節周辺のスポーツ障害と理学療法
     【塩田真史】
  • ・病態
  • ・発症メカニズム
  • ・評価
  • ・理学療法:治療の考え方
  • 成長期の足関節周辺のスポーツ障害と理学療法
  •  【篠原 博,羽場俊広】
  • ・疲労骨折,シンスプリント,踵骨骨端症の成長期の特徴
  • ・理学療法評価の実際
  • ・理学療法の実際
  • ・症例検討

    ● 講 座

  • 運動学習11―各論2:パーキンソン病患者に対する運動学習理論を応用した理学療法の展開
     【長谷川直哉】
  • ・PD 患者が抱える運動学習障害
  • ・PD 患者に対する理学療法の効果
  • ・PD 患者に対する理学療法の最新の取り組み
  • 最新の義肢の理解と理学療法4―義足の構造と機能および義肢の支給制度
  •  【佐野太一】
  • ・義足の構造と機能
  • ・義足ソケット
  • ・インターフェース
  • ・支給制度について