理学療法39巻2号

特集 小児がん患者に対する理学療法士の関わり方と課題   定価:1,980円(税込)

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 小児がん患者は疾患の病態とともに,化学療法や放射線療法に伴うさまざまな副反応や,
入院治療の長期化による身体活動量の低下,そして,心身の機能障害などさまざまな二次障害が生じやすい.

 近年,小児がんの治療成績は向上しており,治療後の生活を見据えた理学療法の重要性が増してきていることから,新たな理学療法分野としても注目されてきています.
しかし,未だ小児がん領域の理学療法はエビデンスの確立には至っておらず,報告件数も少ない状況にあります.

 そこで本特集では,理学療法士が小児がん患者の理学療法を実施する上で必要とする医学的な知識,
および理学療法士の関わり方について概説すること,
そして,小児がん患者・家族に対する理学療法士の具体的な関わり方について述べていただきます.

  • 小児がん患者の病態および医学的管理の理解と理学療法士の関わり方
     【横須賀とも子】
  • ・小児がんとは
  • ・小児がん治療の流れ
  • ・代表的な小児がんの治療薬剤と合併症
  • ・造血細胞細胞移植(HSCT)
  • ・当院でのリハビリの取り組み
  • ・治療後と社会生活へ向けて
  • ・治療抵抗性の状況となってきた場合のリハビリ
  • 小児がん患者に対する理学療法士の関わり方と課題 
     【北川 緑,岡山太郎】
  • ・小児がん患者治療における理学療法の現状
  • ・小児がん患者の理学療法評価および理学療法
  • ・小児がん患者に対する理学療法士の関わりにおける課題
  • 小児造血幹細胞移植患者に対する理学療法士の関わり方と課題 
     【花島 渉,武田夏季,高橋大生】
  • ・小児移植における問題点
  • ・小児移植患者に対する理学療法評価
  • ・小児移植患者に対する介入
  • ・今後の課題
  • 小児脳腫瘍患者に対する理学療法士の関わり方と課題 
     【大久保浩子,上出杏里】
  • ・小児脳腫瘍の問題点
  • ・理学療法評価
  • ・理学療法実施上の注意点
  • ・理学療法における今後の課題
  • 小児骨軟部腫瘍患者に対する理学療法士の関わり方と課題
     【宮城島沙織,時田 諒,池田祐真】
  • ・小児骨軟部腫瘍の疫学と治療の概要
  • ・小児骨軟部腫瘍治療により引き起こされる問題点
  • ・小児骨軟部腫瘍患者の理学療法の流れと評価
  • ・今後の課題
  • 小児がん患者のチーム医療における理学療法士の関わり方と課題
     【信田真吾,横地裕也,佐々木裕介】
  • ・チーム医療の目的
  • ・小児がん患者のチーム医療における理学療法士の役割
  • ・チーム医療における理学療法士にとっての今後の課題
  • 小児がん患者の復学支援における理療法士の関わり方と課題 
  •  【飛田 良,原田佳典,多賀 崇】
  • ・入院治療中の教育
  • ・復学支援
  • ・当院における取り組み
  • ・今後の課題

    ● 講 座

  • 運動学習15―各論6:糖尿病患者に対する運動学習理論を応用した理学療法の展開
     【大関直也】
  • ・DMの合併症および運動学習に影響を与える要因
  • ・DM患者の動作に関する研究の最新トピックス
  • ・DM患者の歩行障害に対する運動学習に基づいた取り組みの整理:実践例の提示
  • 最新の義肢の理解と理学療法9―上肢切断術後のリハビリテーション
  •  【溝部二十四,戸田光紀,陳 隆明】
  • ・義手について
  • ・上肢切断者のリハビリテーションの実際
  • ・公的支援制度について
  • ・最新義手の動向