理学療法24巻1号

増大特集 姿勢    4,000円+税

●特集によせて

  • 「姿勢」―とらえ方・取り組み方
     【原田 孝】

[序 論]

  • 姿勢と理学療法
     【中村隆一】
  • ・理学療法とは
  • ・慢性疾患への治療戦略
  • ・姿勢をどのようにとらえるか
  • ・理学療法を支える理論の歴史的変遷

[姿勢 その多様性]

  • 姿勢についての思索
     【武富由雄】
  • ・「姿勢」の表記について
  • ・ヒトの直立姿勢について
  • ・基本的立位姿勢について
  • ・疾病と姿勢について
  • ・心の働きと姿勢について
  • ・姿勢への関心
  • 温熱環境と姿勢
     【大和義昭,藏澄美仁,松原斎樹】
  • ・はじめに―住宅での体温調節と姿勢
  • ・調査方法の概要
  • ・夏期の居間の温熱環境と居住者の姿勢の実態
  •  1.性別にみた実態
  •  2.行動性体温調節法としての姿勢選択の傾向性
  •  3.高齢者にみられる姿勢選択の傾向性
  • ・冬期の居間の温熱環境と居住者の姿勢の実態
  •  1.性別にみた実態
  •  2.行動性体温調節法としての姿勢選択の傾向性
  •  3.高齢者にみられる姿勢選択の傾向性
  • 履物・衣服と姿勢
     【田中尚喜】
  • ・衣装と姿勢
  • ・履物と姿勢
  •  1.ヒールの高さと姿勢
  •  2.ヒール以外の構造物と姿勢
  •  3.その他の履物
  • ・姿勢評価
  • 住環境と姿勢
     【篠田雄一,阪井康友,山田 哲】
  • ・住環境が姿勢に及ぼす影響
  • ・姿勢が身体に及ぼす影響
  • ・住環境への適応と生活指導の実際
  •  1.臥位姿勢について
  •  2.座位姿勢について
  •  3.立位姿勢について
  • 労作と姿勢
     【長谷川徹也】
  • ・作業姿勢を決定する要因
  • ・作業の効率化と作業姿勢
  • ・作業姿勢と負担
  •  1.立位姿勢
  •  2.重量物の取り扱い姿勢
  •  3.座位姿勢
  • ・今後の課題
  • 妊娠と姿勢
     【村井みどり】
  • ・妊娠期および産褥期の身体的変化
  •  1.妊娠期間および産褥期の定義
  •  2.身体的特徴の変化
  • ・妊婦の姿勢および動作
  •  1.立位
  •  2.歩行
  •  3.座位
  •  4.体幹前屈を伴う動作
  •  5.階段昇降動作
  •  6.体幹の回旋を伴う動作
  •  7.立ち上がり動作
  • 睡眠と姿勢
     【福田一彦】
  • ・睡眠段階と姿勢
  • ・居眠りと姿勢
  • ・睡眠姿勢の民族差
  • ・睡眠麻痺(金縛り)と姿勢
  • ・睡眠時無呼吸と姿勢
  • ・乳児突然死と姿勢
  • ・健常者の睡眠姿勢
  • 心理と姿勢
     【吉松靖文】
  • ・PTSDと姿勢
  • ・心理療法としての動作法
  • ・外界認知と姿勢
  • ・姿勢と印象
  • ・発達障害と姿勢
  • ・青少年の体力低下と姿勢
  • 体格・体型と姿勢
     【伊藤 博,伊藤耕作】
  • ・体格と姿勢:身長
  • ・体系と姿勢:体重
  • ・傾き姿勢
  • 性差と姿勢
     【小倉孝誠】
  • ・近代フランスの身体表象
  • ・修道院の女性たち
  • ・健康と美の名において
  • ・女性のまなざし
  • ・美しさから誘惑へ
  • ・礼儀作法書の言説
  • 発達と姿勢
     【大城昌平】
  • ・運動発達の理論
  •  1.神経系の成熟理論
  •  2.ダイナミカルシステムズ理論
  • ・姿勢調整のシステム
  •  1.運動システム
  •  2.姿勢シナジーの発達
  •  3.感覚死して夢の発達
  •  4.筋骨格系の発達
  •  5.環境と課題

[姿勢の生理学]

  • 姿勢保持の神経機構
     【中塘二三生】
  • ・神経系の構成
  • ・大脳皮質の機能
  • ・姿勢保持と姿勢反射
  • ・立位と座位の姿勢保持の調節
  • ・姿勢保持調整能の加齢による影響
  • ・神経機構の異常が歩行に及ぼす影響
  • 姿勢とエネルギー消費
     【古川順光】
  • ・姿勢とは
  •  1.重心・アライメント
  •  2.安定性
  •  3.人がとる姿勢
  •  4.良い姿勢とは
  • ・エネルギー消費とは
  •  1.身体運動とエネルギー
  •  2.基礎代謝量
  •  3.安静時代謝量
  •  4.エネルギー代謝率
  •  5.代謝当量METs(メッツ)
  •  6.エネルギー消費量の測定方法
  •  7.エネルギー消費量の推定方法
  • ・姿勢保持とエネルギー消費
  •  1.立位姿勢と筋活動
  •  2.エネルギー消費量の測定の実際
  • 姿勢と血圧変動
     【齋木しゅう子,米澤久幸】
  • ・血圧の成因とその調節
  •  1.血圧の規定因子
  •  2.血圧調整機序
  • ・身体と重力
  •  1.重量の影響
  •  2.姿勢変化に伴う液性成分のシフト
  •  3.循環調整不全により引き起こされる起立性低血圧
  • ・姿勢の変化に伴う循環調節
  •  1.圧需要体反射
  •  2.筋ポンプ作用
  •  3.中・長期的な血圧調節機序
  • 姿勢のバイオメカニクス
     【福井 勉】
  • ・バイオメカニクスと理学療法
  • ・立位姿勢のバイオメカニクス
  •  1.矢状面
  •  2.前額面
  •  3.水平面
  •  4.理学療法評価との関連性
  • ・座位姿勢のバイオメカニクス
  •  1.座位における運動学
  •  2.座位における運動力学
  • ・臥位姿勢のバイオメカニクス

[姿勢の評価]

  • 姿勢の評価のあり方
     【小林 武】
  • ・どの現象に着目するか
  • ・何を使って計るか
  •  1.機器を用いる方法
  •  2.評価指標を用いる方法
  •  3.動作観察や誘発反応を用いる方法
  • ・どのように計るか
  •  1.安全に計る
  •  2.正確に測る
  •  3.努力対効果が高くなるように計る
  • ・どのように解釈するか
  •  1.正常値やカットオフ値との比較
  •  2.経時的変化の把握
  •  3.移動能力やADL遂行能力の予後予測
  • 姿勢の評価
     【石井慎一郎】
  • ・姿勢分析から何が分かるのか
  • ・静止姿勢の評価
  • ・動的姿勢の評価
  •  1.外力の制御
  •  2.外力を制御するためのアライメント制御
  •  3.安定性限界における重心の制御
  •  4.中心軸の形成
  • 平衡反応検査
     【田口孝行,相馬正之,中山彰一】
  • ・身体の平衡に関与する感覚系機能の検査
  •  1.平衡機能感覚検査
  •  2.検査手順
  •  3.6条件における評価方法
  •  4.検査結果の解釈モデル
  • ・身体の平衡に関与する反応(反射)検査
  •  1.立ち直り反応(立ち直り反射)(righting reaction, righting reflex)
  •  2.平衡反応(equilibrium reaction)
  • ・身体の平衡を維持する姿勢戦略
  •  1.足関節戦略
  •  2.股関節戦略
  •  3.踏み出し戦略
  • ・外乱に対する平衡反応の定量的な測定方法
  •  1.sensory organization test
  •  2.motor control test
  •  3.adaptatoin test
  • 形態測定としての体格・体型・骨格の測定の実際
     【香川雅春,玉利光太郎】
  • ・形態の概念および定義
  • ・形態と健康被害
  •  1.身長,骨幅,骨長と健康被害
  •  2.骨捻転と健康被害
  •  3.肥満と健康被害
  • ・体格足底の手法
  •  1.形態測定による身長,下肢長,骨幅の測定方法と留意点
  •  2.骨捻転角度の測定方法の実際と留意点
  •  3.全身の体格および肥満度の測定の実際および留意点
  • 変位からみた三次元動作解析―背臥位から立位への起き上がり動作および立ち上がり動作
     【中俣 修】
  • ・背臥位から立位までの姿勢変換における動作パターンとその年齢的推移
  •  1.起き上がり動作および立ち上がり動作の動作パターンの分類
  •  2.起き上がり動作および立ち上がり動作の動作パターンの年齢的推移
  • ・背臥位から立位への姿勢変換動作能力の評価
  •  1.背臥位から立位への姿勢変換遂行能力の評価(動作パターンと所要時間の測定)
  •  2.起き上がり動作,立ち上がり動作と体幹の運動機能

[姿勢異常と理学療法]

  • 姿勢異常と理学療法
     【木藤伸宏,金村尚彦,新小田幸一,加藤 浩】
  • ・理学療法における姿勢異常の捉え方
  • ・姿勢異常と重力環境
  • ・姿勢異常に対する従来の理学療法の問題点
  •  1.理学療法介入を行う上での評価体系の問題
  •  2.方程式的発想での筋機能強化に関する問題点
  •  3.単関節筋と多関節筋の問題
  •  4.体幹機能の軽視
  •  5.運動制御・学習理論の応用に関する問題
  •  6.アライメント改善に対する取り組みに関する問題
  • ・機能障害と姿勢異常
  • ・姿勢異常における理学療法戦略
  • 脳卒中による姿勢異常に対する理学療法
     【髙見彰淑】
  • ・脳卒中患者に診られる姿勢異常について
  • ・脳卒中患者の姿勢バランスのみかた
  •  1.静的バランスのみかた(静止姿勢保持)
  •  2.動的バランスとは
  • ・姿勢バランスへの介入例
  •  1.症例紹介(発症から8日と9日に観察)
  •  2.介入方法
  •  3.介入方法の内容
  •  4.観察
  • パーキンソン病・パーキンソン症候群・錐体外路系疾患による姿勢異常に対する理学療法
     【望月 久】
  • ・大脳基底核の機能と姿勢・運動異常
  • ・パーキンソン病の姿勢・運動異常
  • ・パーキンソン病の姿勢異常に対する理学療法の考え方
  •  1.関節可動域の維持・改善
  •  2.筋力維持・改善
  •  3.姿勢矯正運動
  •  4.バランス能力改善運動
  •  5.基本動作練習
  •  6.歩行姿勢・歩行能力の維持・改善
  •  7.身体活動量の維持・増加
  • ・パーキンソン病以外の錐体路系疾患の姿勢異常へのアプローチ
  • ・理学療法の限界と課題
  • 筋ジストロフィーの姿勢異常に対する理学療法―Duchenne型筋ジストロフィーについて
     【植田能茂,山本洋史】
  • ・DMDに対する理学療法の目的
  • ・DMDの立位姿勢
  • ・姿勢に影響を与える機能障害
  •  1.ROMの左右差が姿勢に与える影響
  •  2.筋力のimbalanceが姿勢に与える影響
  • ・姿勢の評価と機能障害の治療
  • ・脊柱変形に対する治療
  • ・保存的治療
  •  1.発生の予防
  •  2.進行の予防
  •  3.変形によって生じたADL低下に対する対策
  • ・外科的治療(脊柱矯正固定術)
  •  1.手術適応
  •  2.術後理学療法
  • 脳性麻痺による姿勢異常に対する理学療法
     【新田 收】
  • ・脳性麻痺における姿勢異常
  • ・姿勢の発達と姿勢反射
  • ・姿勢反射の大分類
  •  1.原子反射(primitive reflex)
  •  2.立ち直り反応(rightning reaction)
  •  3.平衡反応(equilibrium reaction in standing position)
    • ・脳性麻痺における異常
    • ・姿勢制御へのアプローチの考え方
    • ・アプローチの実際
    •  1.巻き戻し反応陰性:寝返り不可の児に対するアプローチ
    •  2.空間での立ち直り反応陰性:定頸負荷の児に対するアプローチ
    •  3.前方保護伸展反応陰性:座位保持不可の児に対するアプローチ(前方)
    •  4.空間で立ち直り反応陽性:座位保持不可の児に対するアプローチ(側方)
    •  5.足底把握反射陽性,要請支持反応陽性:椅子座位,つかまり立ち位でのバランスが安定しない児に対するアプローチ
    •  6.立位平衡反応陰性:立位保持不可の児に対するアプローチ
    • ・姿勢反射獲得状況と構築学的姿勢変化
    • ・姿勢反射と関節拘縮,脊柱側彎との関係
    • ・重度の姿勢異常に対するアプローチ
  • 脊髄損傷による姿勢異常に対する理学療法
     【水上昌文】
  • ・脊髄損傷の座位姿勢保持のメカニズム
  •  1.損傷高位と座位保持メカニズムおよび姿勢との関係
  •  2.座位バランス能力に影響する因子
  • ・脊髄損傷者の座位姿勢評価
  •  1.脊柱後彎度合いの評価
  •  2.脊柱後彎頂点位置による姿勢の分類
  • ・理学療法の実際
  •  1.胸郭拡張運動
  •  2.胸郭の捻転と肩甲帯の水平内転
  •  3.上部体幹可動性改善手技
  •  4.下部体幹可動性改善手技
  • 脊椎疾患による姿勢異常に対する理学療法
     【浅海岩生】
  • ・姿勢異常を示す代表的疾患と病態
  •  1.脊柱変形の種類
  •  2.脊柱変形と原因
  •  3.変形に関わる代表的脊椎疾患と病態
  • ・評価のポイント
  •  1.アライメントの評価
  •  2.触診
  •  3.関節の可動性
  •  4.筋力の評価
  •  5.痛みと知覚の評価
  •  6.バランス評価
  •  7.ADLの評価
  • ・姿勢異常に対する理学療法
  •  1.物理療法
  •  2.運動療法
  • 下肢運動器疾患による姿勢異常に対する理学療法
     【鈴木貞興,千葉慎一,大野範夫】
  • ・良い姿勢とは
  • ・下肢機能について
  • ・下肢アライメントについて
  • ・下肢機能に関する評価
  •  1.脚長差を起こしている原因の鑑別
  •  2.hip rotation test(仙腸関節機能不全の検出)
  •  3.下肢機能軸の評価
  • ・姿勢に影響を及ぼす下肢運動器疾患の諸症状
  •  1.痛みと姿勢および歩容との関連
  •  2.関節拘縮,関節の変形と姿勢との関連
  • ・代表的な下肢運動器疾患の理学療法
  • ・下肢運動器疾患における姿勢不良に対する理学療法について思うこと
  • 上肢運動器疾患による姿勢異常に対する理学療法─関節リウマチを中心に
     【島原範芳】
  • ・RAによる姿勢異常の発生機序
  • ・RAによる姿勢異常の身体機能・能力への影響
  • ・姿勢異常に対する方策
  •  1.肩関節への方策
  •  2.胸郭および体幹への方策
  • 感覚器系疾患による姿勢異常に対する理学療法
     【小泉千秋,波多野 直,浅沼 満】
  • ・感覚器官の基本的構造と機能
  • ・姿勢と姿勢制御
  • ・姿勢制御に関する感覚器の作用
  • ・感覚器系疾患により生ずる姿勢異常とその病態
  •  1.体性感覚の障害
  •  2.視覚の障害
  •  3.前庭感覚の障害
  • ・感覚器系疾患による姿勢異常の評価のポイント
  • ・姿勢異常に対する理学療法の実際
  • ・今後の課題
  • 呼吸器疾患・障害に関連する姿勢への理学療法介入
     【石川 朗,高橋尚明】
  • ・呼吸器疾患・障害における姿勢と体位
  • ・COPDにおける呼吸困難時の姿勢
  • ・喘息発作時の姿勢
  • ・呼吸器合併症に関連する姿勢
  •  1.荷重(下)側肺障害
  •  2.予防的体位変換
  • ・排痰に関連する姿勢
  •  1.体位排痰法
  •  2.亜区域気管支における体位排痰法の検討
  •  3.体位排痰法についての新たな提言
  • 加齢による姿勢異常に対する理学療法
     【隆島研吾】
  • ・加齢による姿勢の異常
  •  1.加齢による姿勢の変化
  •  2.姿勢変化の分類と原因
  • ・病態評価のポイント
  • ・姿勢異常に対する理学療法の実際
  •  1.理学療法の目的
  •  2.具体的プログラム
  • ・理学療法の限界と注意点